昨日の産経新聞に「111年の歴史に幕 川重神戸第1ドック」のニュースが出ていました。
港町・神戸の象徴として、造船業の繁栄の歴史を後世に伝えてきたが、管理が難しいとして、111年の歴史に幕が下ろされた。
この神戸ドックには深い思い出があります。昭和47年年初にこのドックで大型フェリー
であるサンライズ号の進水式があり、これを観閲できたのです。
進水式の華やかさはすでに多くの人が体験済みだと思いますが、まことに感動的です。
紅白の垂れ幕で囲まれた荘厳な雰囲気の中、来賓のあいさつや祝辞のあと、吹奏楽による演奏の中船主が、船のへさきを結んでいるテープを斧で切断するとシャンペン瓶が船首にぶつかって割れ、さらにくす玉が割れて、中から多数のハトが一斉に飛び出す。
さらに船体はゆっくりと、しかし加速度を付けながら海に向かってすべりながら離れていく。
まことに感動的でした。
このサンライズ号はすぐにサンフラワー2号として鹿児島-高知などの航路に就航しました。
船腹におおきなあのひまわりを描いたサンフラワー号は、一度は乗ってみたい大型フェリーでした。4月に予定していた結婚式を私の本籍地であり、家内の地元である高知で行い、南九州を巡る新婚旅行の計画は、もちろん鹿児島からサンフラワー号に乗船するようにしたことでした。
後日川崎技法にこのサンフラワー号に関する論文が出ていました。
まずその大きさは高知浦戸湾の入口の幅や旋回可能な長さで決められたとのこと。
荒波から船の搖動を防ぐスタビライザや、船首旋回を容易にする横方向スクリューが取り付けられており、かぎ型に曲がった浦戸湾をタグボートなしで自力航行できる機能を持たせてあるとのこと。
いろいろ参考になりました。
この素敵なフェリーに乗船できたことは非常に印象深い新婚旅行となりましたが、神戸ドックが撤去されることは非常に残念でなりません。